車両に新しい命を吹き込む
近鉄の車両リニューアルを担う、ベテラン社員と若手社員が集合。
立場や経験・年齢も気にせず、入社後に体感したこと・職場の雰囲気などを
本音で語ってもらいました。
1996年入社
車両事業部 工事第一部
車両課 車体班 主任
K.H.
高校(普通科) 卒
車体班の主任として、車両リニューアル工事に伴う内装の改造工事に携わる。主に通勤車両の内装を担当。過去に「あおによし」などの観光列車を手掛けた実績も多く、経験豊富。
2008年入社
車両事業部 工事第一部
車両課 電気班 班員
A.K.
工業高校(ロボット工学科) 卒
電気班にて、おもに電気関係の機器の取外しと配線や結線作業を担当。近鉄以外の自動放送設置工事などの工事にも携わっている。
2020年入社
車両事業部 工事第一部
車両課 電気班 班員
O.H.
工業高校(電気技術専科) 卒
インフラやモノづくりへの興味から入社。Aと同じく、電気班所属。経験3年を経て、新たな仕事を任されることに確かな手応えを感じている。
2023年入社
車両事業部 工事第一部
車両課 車体班 班員
I.T.
大学(工学部) 卒
Kと同じ車体班に所属。入社して1年と少し。向上心を持ちながらの作業を心がけ、先輩社員に積極的にアドバイスを求めるなど、技術の習得に励んでいる。
K 私たちは4人とも車両課に所属していて、近鉄車両のリニューアル工事に携わっています。そのなかで今回は、私とIさんが内装を担当する「車体班」と、AさんとOさんが車両の電装や配線を担う「電気班」に分かれたメンバー構成ですね。
I 車体班の仕事は、内装のリニューアルなのでお客さんから見える仕事が多いです。座席や防犯カメラの設置や壁の張り替えとか。改造前の車両の部品をすべて外す作業から始まって、なにもないところから少しずつ組み立てて、新しい車両に改造していきます。長年にわたりたくさんのお客様の足となった古い車両が、まっさらな列車に様変わりするのを見るといつも感動します。
O 車体班がお客さんに〈見えるところ〉を扱うとすれば、電気班が担当するのは〈見えないけれど大事なところ〉です。電気の結線作業がうまくいかないと、電車が止まってしまいますからね。作業内容としては電気関係の分解や更新、新たな電気配線や回路の変更です。繋ぎ場所を間違えると、最悪の場合燃えて火災につながるケースもあるので、事故の無いよう本当に気をつけて作業しています。
A こんなかんじで車両課のなかで分業はしていますけれど、車両の改造工事はそれぞれの知織、経験、技術をもったスタッフがチーム一丸となることで完了します。決して一人ではできないですからね。Iさんの言うように、古い車両に命を吹き込んで、またお客様のもとへ送り出す──シンプルに表現すると、それが私たちの仕事といえそうです。
A Oさんは入社して4年目ですよね。入社後の印象深い出来事とか、嬉しかったことはありますか?
O 最近になって、運転台の作業を任せてもらえるようになったことです。入社して運転台まわりの結線作業を初めて見たとき、その作業量の多さに圧倒されました。運転台って狭いのであんまり人数をかけられないので、ほんとうに仕組みを理解している人しかできない。個人的には花形の仕事だと思っています。でも最初は、やはり難しく失敗ばかりでまわりの皆さんにご迷惑をかけてしまいました。
A 慣れないうちは失敗して当たり前ですし、周りのサポートで成長していくものだと思います。もちろん、本当の意味で失敗をしてしまうとたいへんです。営業中に電車が止まってダイヤに乱れが出てしまうなんてことも可能性としてはありますからね……。でも若いうちから、失敗をたくさんすることでそういったトラブルを未然に防げるので、経験はいろいろしておいた方がいいと思います。
O そうですね、先輩方からいろいろ指導してもらうことで日々成長を感じています。この前、リニューアル工事においてゼロから配線して組み込む作業をさせてもらいましたが、検査で手直しがまったく生じずクリアできた時は達成感がすごかったです。
K この業界に入って30年近いけど、僕もいろいろと仕事を任されるようになったのは、運転台の内装を一人で任されることになった頃かな。たしかそれも3年目くらいだったと思います。Iさんは入社して1年ちょっとですが、なにか気づきとかはありましたか?
I 自分は大雑把な性格なので、内装の仕事なんて務まるのかなと思っていました。例えば電車の壁に貼る、化粧板の繋ぎの仕上がりを見るとみなさんすごく綺麗に作業されている。自分にできるのかなと。でも次第に、仕事の質やこだわりを求める自分に気づくようになりました。壁を張った後に、少し距離を取って眺めて仕上がりが綺麗だと「やった!」という気になる。
K 手仕事の跡が残るという意味では、ものづくりという側面もこの仕事にはあると思います。僕も自分が担当した車両じゃなくても、内装の出来具合とか気になる笑。たまに近鉄以外の車両にお客さんとして乗るときも、じっと見ちゃう。
A 当社の職場には、さまざまな世代の方がいらっしゃいます。60代の方から大学や高校卒業をして間もない方まで、ほんとうに幅広い。入社したばかりの感覚だと、年配の方々は自分のお父さんと同じかそれ以上という感じですよね。もう慣れたと思うけど、最初はどうでした?
I 自分は人見知りなので、なかなか自分から声をかけることができなくて。最初のうちは同期と喋るか、年齢が近い人と話すかですね。先輩から声をかけていただくことが多いので、助かっています。
O 僕も同じで、先輩方とお話しすることに苦手意識がありました。入社当時は正直、怖い人が多そうというイメージでしたけど、実際にお話をさせてもらうと気さくな方が多いという印象に変わりました。
K あんまり歳が離れていると、最初はベテランの方に話しかけるのは怖いよね。おじさん側も若い人と、どんなことを話すかはちょっと悩みます笑。でも間違いなく、コミュニーケーションを取れる方が職場の雰囲気もよくなるし、お互い仕事もしやすくなるはずなので、ベテラン勢もできるかぎり若い人と接する努力をしています。
O ほんとうにそうですね。休憩時間や仕事終わりに少しの時間でも雑談などをして距離を縮めるようにしていました。昔の話を聞いていると、仕事の勉強にもなりますし。
A 私は入社16年目なので、だいたい全体の中間にいるという感じ。先輩も後輩も同じくらいいるので、年齢層に合わせて自分から声を掛けるようにしていますよ。後輩には「この前どこ遊びに行ったん?」とか、先輩には「昨日は阪神逆転負けしましたね!」とか。
I 後者の話題はお互いの信頼関係がないと、怖くてできないですね……笑。
O 当社は基本的に土日休みなので、十分に休息が取れてます。年次有給休暇も取りやすいですし。スニーカーが好きなので、靴屋さんをはしごしたり、友人と食事に行ったりして過ごしています。
K 僕はお笑いが好きなので、よしもと漫才劇場に足を運んでます。お目当ての芸人さんの漫才を見て、ガハハと笑ってリフレッシュ。
当社は株式会社リロクラブが運営する福利厚生倶楽部と契約していて、社員には年に一度、ポイントが付与されるのでそのポイントで映画とか見に行ったり、商品券に替えて買い物をしたりして楽しんでいます。
I ポイント活用させてもらってます! 旅行に行ったらポイントが倍で利用できるので、実は旅行に使った方が得なんですよ。先日ディズニーランドに行って満喫してきました。
A 天気のいい日は愛車のバイクであちこちツーリングして、有名なラーメン店などグルメ巡りをしています。運動も好きで、ゴルフの打ちっぱなしやマラソン大会に向けてランニングをしたりしています。
I この仕事をする前に気になっていたのは、鉄道が好きじゃないといけないのかなということでした。みなさんどうですか?
K 長年この仕事をしていますが、鉄道はあくまでも移動手段で好きという感情はないです。鉄道が大好きなスタッフ同士の会話を聞いていても、なにを言っているのか全然わからない笑。
A でも、鉄道に関連する会社だけあって、鉄道が好きな方は多いですよね。正確な数字ではないですが、感覚的には全体の3〜4割くらいは鉄道好きの方という感じ。若い二人はどう?
O 僕も入社当時はそんなに好きというわけではなかったです。
I 同じく、鉄道は身近にある存在ですが、鉄道が大好きかと言われると……そうではない。
A あ、ここにいる全員が、鉄道が大好きというわけではない笑。
K 逆にいうと、鉄道好きかそうでないかは、この仕事をする上ではあまり関係ないです。大事なのは仕事に対する熱量と、乗車するお客さんの安心・安全への想いを持つということだと思います。
A たしかに。仕事でうまくいかないことも多いですが、苦労してリニューアルした車両たちが公共交通機関として多くの方々の役に立っている様子を駅やホームで見るとこの仕事に誇りを持ちます。
I 僕も毎日近鉄を利用しているのですが、ホームに入線してきたリニューアル車両を見て、お客様が「新車だ」や「綺麗」と興奮混じりに話されているのをお見かけします。ものづくりの仕事はお客様から直接見えませんが、自分が携わったものが目に見えて何十年も走り続ける。そういうことにロマンと達成感のようなものを感じます。
O まったく同感です。「ものづくりがしたい」というのが当初の入社動機だったので、自分の願望とマッチしていました。未経験の方ばかりなのでKさんのおっしゃるとおり、やる気次第で技術を伸ばせるのも実感します。
K そういうことです! 初めのうちは覚えることが多くて大変だと思いますが、何にでも興味を持って積極的に挑戦できれば成長していけます。鉄道車両に興味がある方はもちろん、ものづくりが得意な方もピッタリだと思うので、少しでも当社に興味を持たれた方はぜひ応募してみてほしいですね。