近鉄では車両をリニューアルしながら長期間にわたり運用されています。当社では長年車両の改造工事を担当しており、経験や技術力が培われました。
当社の実績は業界内でも広く周知され、中古車両の転用工事のご相談をお受けすることに。本事例のクライアントは、大井川鐵道様。担当者の方が他鉄道事業者様の車両が「廃車になる」という情報を聞きつけ、当社に相談にこられたことからスタートしました。
ご提案01
車両の転用にあたり、まず確認することは、中古車両を売っていただけるかどうか。中古車両の譲渡元となる鉄道事業者様のご意向も確認し、譲渡元・譲渡先双方にご納得いただける取引になるよう、慎重な対応が必要になります。
また、入念に車両の状態を確認することも大事です。車両の劣化具合によっては、改造が不可能な場合もあるためです。本事例においても、大井川鐵道様の代理で直接訪問し、状態を確認。「問題なし」と判断し、車両を大井川鐡道様の工場へと運搬しました。
ご提案02
車両転用工事がいよいよ始まります。その主な作業の一つは、現在でも運用可能な仕様に合わせることです。現在の法律に沿った仕様になっていなかったり、バリアフリー化がなされていなかったりするため、そのままでは使用することができません。また、ドライブレコーダーやカメラの取り付けなど、運用側が扱いやすい仕様に近づける必要があります。
車両転用工事で難しいところは、昔作られた車両のため元図面が手元にない場合も多いこと。あるいは、図面があっても途中で改造されていることもあり、図面の情報だけは把握できないことです。そのため現場作業の段階で構造を確認し、都度判断する必要が生じる場合があります。また、足りない資材や部品があれば、現場で至急調達することもあります。
このように、臨機応変な動きが求められる仕事ですが、長年にわたる転用工事の経験をベースに、当社では一つひとつ課題を解決してまいります。この〈フットワークの軽さ〉と〈馬力〉が当社の強みです。
ご提案03
中古車両を改造して運用することは、新車を購入するよりも大幅なコスト削減が見込めます。当社では、下記の対応が可能なため、低予算でもリニューアルされた新車さながらの車両を導入することができます。
・経験と現場の技術力により、納期をできるだけ短縮し、人件費を抑えて工事を進められる
・取引先との繋がりが豊富にあり、リーズナブルな価格で外注や部品調達ができる
本プロジェクトにおいても一ヶ月弱という短い期間の中で、当社係員が現地滞在工事を行い、大井川鐵道様のご要望に沿った車両に改造することができました。
当社では設計から施工まで一貫して行い、様々な経年・状態の鉄道車両の再生に取り組んでいます。それを可能にしたのは、近鉄の車両を長年にわたり扱った経験にほかなりません。近鉄というフィールドで車両を大切にし、手を入れながら長く使う──この経験が、車両転用工事へと生かされました。
改修を繰り返すことで得た業界トップクラスの〈技術とノウハウ〉は、当社が誇りに思うところであり、同業他社には負けない強みと自負しています。