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CASE STUDY

事例紹介

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近畿日本鉄道様

車内放送装置(多言語対応)

車両保守設備・商品

“タブレット端末を用いた、
車内放送の多言語対応”

電車に乗ると流れる「次は〇〇駅〜」という車内放送。昨今では外国人の訪日観光客が増え、多言語で放送することが必須となっています。
当社では、業務用タブレット端末を利用して車内放送を4ヶ国語で実施できるシステムを提案。簡易的に装置を設置できるアイデアであり、迅速かつ低コストでの導入を可能にしました。

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導入の背景

訪日外国人が急増し、多言語での案内放送(日英中韓)が必須であった。

多言語での案内放送(日英中韓)が必須となったのは、コロナ前より外国人観光客数(インバウンド)が急増したことが背景にあります。
それまでは、自動放送(日英のみ)の機能が付いているのは、特急をはじめとする一部の車両のみ。それ以外の一般車両は、車掌自らの声で放送していました。業務効率化の観点からも、全ての車両に多言語対応した車内放送装置の導入が急務でした。

解決すべき課題

  • できる限り低コストで、できるだけ早く全車に展開
  • 車掌の判断で、放送内容や言語を選択できるように
  • ユーザー側で放送内容を自由に編集できるように
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近鉄車両エンジニアリングからのご提案

  1. ご提案01

    改造を最小限に留め、
    低コストと早期対応を実現

    本プロジェクトの遂行において大事なことは、なるべくコストを抑え、なおかつ早期(2年間)で対応できる方法を検討することでした。しかし、全車両の一つひとつに自動放送装置の取り付けを行うと、費用は嵩み、工期もかかってしまうためそのどちらも解決はできません。 例えば、1編成2運転台に設置しようとすれば、約2週間程度は必要です。近鉄の全車両(近鉄車両:約560編成)に設置を考えると、6年程度は必要となります。

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    そこで、車両の改造を最小限に留めました。「外部音源接続箱の新設」のみとし、安価な工事費、早期の全車展開を実現したのです。
    既存のマイクと放送アンプの間に、外部音源接続箱と多言語放送端末(タブレット)を接続するだけ。通常は放送装置の音声が客室に放送されますが、専用マイクのボタンを押すと車掌の肉声が車内に放送される仕組みです。

    タブレットは取り外しが可能で、車掌が一人一台持ち歩けるというスタイルに。端末は車両の数でなく乗務員の数だけ用意すれば運用できるため、低コストで運用できます。
    シンプルな工事のため2年間で全車両に導入でき、コスト面でも自動放送装置を導入するのと比べると1/2〜1/3程度に抑えられました。

  2. ご提案02

    ヒアリングを重ね、
    ワンタッチで簡単に操作できるように

    タッチパネル式で、放送言語、乗換案内などをワンタッチで簡単に設定できるようにしました。

    実際に放送装置を使うのは車掌の皆様。入念なヒアリングを何度も重ねて、実際に現場レベルでしかわからないことを汲み取っていきました。
    揺れる電車の中での操作のため、「うまくタッチできるか。違うボタンをうっかり押してしまわないか」などの不安も。細部にわたりご意見を取り入れることで解消を図りました。タブレットやボタンのサイズ、ボタンの色、デザインレイアウトに至るまで──直接的にお話を伺うことで、その一つひとつを形にしていきました。

    状況に応じて臨機応変な操作が簡単にできるようにも配慮しました。
    例えば、基本的には、ボタンを押したら定型の文章が流れていくのが普通です。しかし、次の駅で左右のどちらの扉が開くのかはダイヤによって異なる時があるので、一つの定型の放送ではカバーしきれません。
    そこで手動で〈左に開く〉〈右に開く〉という再生ボタンを追加するなど調整を図りました。

    このように、ヒアリングの内容を踏まえ、お客様の事情によって細かなカスタマイズを実現していくのが私たちの仕事です。

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  3. ご提案03

    専門知識がなくても編集でき、
    ランニングコストを安く

    電車の運行には、時期によりダイヤ変更や運用系統変更などが生じてきます。そのため、放送の内容も変更しないといけません。しかし、その度に修正を外部に依頼していては、ランニングコストが嵩みますし、時間と手間もかかってしまいます。

    そこで、多言語放送端末を車掌携帯方式に。また、列車区事務所に放送データ登録装置を納入し、ユーザー側で自由に編集できるようにしました。車掌ごとに端末を持ち歩けるようにしたのは前述の通りですが、その端末を各事務所に持ち帰り、編集ソフトでデータの書き換えができるようにしたのです。操作方法も簡単なため、専門知識も要りません。

    そのためリリース後は、ユーザー様ご自身でほとんどのことを編集でき、費用を抑えながら運用することができるのです。

大企業にはできない
〈あったらいいな〉を実現する

この車内放送装置は、国土交通省主催の第15回「日本鉄道賞」の特別賞を受賞しました。
工事の規模を最低限で抑え、短期間(2年間)、低コストで実現したことを評価されての受賞でした。
市販のタブレットを用いて、専用のアプリを導入する──仕組みとしては、シンプルなもので大それたことではありません。短納期、低コストという条件の中で、私たちにできることを考えた結果、画期的なアイデアにつながりました。
当社はこのように、ユーザー様が抱く〈あったらいいな〉という細かな要望を柔軟に考え、そのお悩みを解決することに喜びを見出しています。

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