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CASE STUDY

事例紹介

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JR九州様

車輪フラット検出装置

車両用システム

“車輪の〈傷〉を一早く検出し、
乗客の安全をまもる”

フラットとは、鉄道車両の車輪の表面上に生じた〈こすれた傷〉のこと。運行の過程でやむなく急ブレーキをかけたら、車輪がレールの上を滑走し、その摩擦によって車輪に傷ができてしまいます。快適な乗り心地を維持するには、フラットの有無を監視して適切なメンテナンス計画を立てることが不可欠です。当社はこの分野の先駆け的な存在として、車輪フラット検出装置を数多く導入してきました。

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導入の背景

フラットが生じると音が発生し、
騒音問題に発展しかねない。

フラットが生じると、車両が一回転するごとに「コンコン」と音が発生します。沿線に住む方々はもちろん、乗客の方にとっても耳障りな音で、放っておくと騒音問題に発展しかねません。
今回の事例の背景も、こうした懸念が発端となりました。九州新幹線の開業に際して、騒音対策の一環として国土交通省からJR九州様に紹介されたのが、当社の車輪フラット検出装置でした。

開業が迫るタイミングでのご依頼で、あまり時間に猶予はありませんでしたが、当社はこれまでの経験をもとに迅速に対応し、装置の導入へと繋げました。

解決すべき課題

  • 開業までに、必ず車輪フラット検出装置を導入
  • 効率よく、フラットの点検作業を行えるように
矢印

近鉄車両エンジニアリングからのご提案

  1. ご提案01

    経験を頼りに、
    迅速に
    車輪フラット検出装置を導入

    車輪フラット検出装置の導入にあたって最も大事なことは、装置をどこに設置するかということです。
    鉄道には「各駅停車・急行・特急」など様々な種類の列車がありますが、理想の設置場所は、そのすべての列車が止まる駅の近辺であること。そして、その駅から出発した列車のスピードが安定したところで記録を取ること。そうすると、どんな列車も速度が一定になるので正確なデータを取ることができます。 設置したのは、新八代駅。当時は博多から新八代まで一般の特急列車がきて、新八代駅から新幹線で鹿児島まで行くというような運用で、データを取るには最適の駅でした。

    力が試されるのは、ここからです。通常は電車の先頭に乗ってみたり、どういう走り方をしているのかを観察したりすることで、検出装置の設置場所を判断します。車両が運転を開始してから70〜90キロくらいのスピードで通過する場所──それが、データを取るにあたり最適な場所ですので、実際の走行を見た上で設置にあたります。
    しかし、当時は開業前のため、列車はまったく走っていません。実物を踏まえた議論ができないため、頼れるのは自らの経験のみ。
    設置場所をミスしてしまうと、正確なデータが取れなくなってしまいますので、線路条件・列車運転条件・環境条件など様々なことを勘案し、最適な場所を見極めました。

    設置は見事に成功。導入実績が豊富な現場スタッフ間で、慎重に議論を重ねたことで誤りなく適切な位置に設置できました。開業までわずかな時間しかありませんでしたが、迅速な対応が実を結び、無事に導入へと繋げることができました。
    新幹線は高速で走るため、フラットが発生したままにしていると振動が激しく、車輪にも悪影響となります。傷が生じたら早めに転削して、お客様に対する安全と快適性の確保することがなによりも大事です。その運用において長年にわたり貢献してきたことに、私たちは誇りをもっています。

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  2. ご提案02

    こまめに人力で点検せずとも
    自動的に精度の高い点検が可能に

    車輪フラット検出装置を導入することで、フラットが生じている車両、車輪およびその位置も把握することができます。
    先述のとおり、フラットは放置すると騒音問題に繋がりますので、問題を検知したら「車庫に入れ、その傷を削ってなくす」というメンテナンスが日頃からなされています。一日で削れる量はわかっているため、それをいかに効率的に車庫に取り込むかが運用においては大事です。「最も悪い状態のものから優先的に削る」というような計画を立てやすくする──それが、この車輪フラット検出装置の役割です。

    この装置が導入されるまでは、人による点検作業によりフラットの発生の有無が確認されていました。人海戦術でたくさんの人工がかかっていましたが、この一台で全てを省くことができるのです。現在では多くの鉄道事業者に設置されていますが、開発がなされた当時においては、とても画期的なシステムでした。
    開発して間もない数十年前には、誤検知が発生することもありました(例:1軸目にフラットが発生しているのに、2軸目に発生していると間違えて検出)。しかし研究を重ね、アルゴリズムを改良していくことで、そのような誤検知が発生した事例は少なくとも10年以上は耳にしていません。

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さまざまなフィールドで試験を重ね、装置の精度をより強固なものに

車輪フラット検出装置の研究は長い歴史があります。開発当初から現在にいたるまで幾度も改良が重ねられてきました。誰もが信頼する装置になるまで成長したのは、近鉄をはじめとするフィールドを存分に活用したことがその背景にあります。
特急・急行などの列車の種類、線路の幅、地理的な環境(関西圏だけでなく、雪の降る山間部)など、いろいろなフィールドでの違いを踏まえて、数多くの試験を行い、データの蓄積を行ってきました。
車輪フラット検出装置は鉄道がある限り、必要なものです。沿線に住む方々、乗客の方々の快適を維持するために、当社はこれからも歩みを止めず研究を続けます。

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